ロードバイク鍵考 馬蹄錠編(ring lock)

ロードは鍵が問題だ。

セルフコイルは太いと使うときにいちいち伸ばすがめんどう。細いのは気休めにしかならない。
シャックルタイプのロックはいかにも頑丈そうでよいけど重い。走行中はどこにつけるのか。
背中のポッケにいれたり、バッグにいれたり、いちいち面倒だ。

楽するために苦労する、そんな試行錯誤を紹介したい。

10年以上セルフコイルの太いものをつかってきた。
かけわすれたときに前輪を盗られたこと以外には盗まれることもなかった。
鍵も長持ちしていまでもつかってる。

セルフコイル式は収納には便利でも、かけはずしがやっかいなんです。

かけるために伸ばすにはぐいぐいひっぱらないといけない。
ひっぱってもすぐもとのグルグル状態にもどってしまう。


新しい自転車には新しい鍵ということであれこれ探し、ひとまずこれにした。

明るい緑や白などおしゃれな色がそろっているのもいい。

YPK Innovations Cafe 2.0

[rakuten:ride-on:10035080:image] http://www.diatechproducts.com/ypk/ypk_doublelooplock.html

長いがセルフコイル式ではないのでまっすぐのびる。
端っこに小さなワッカがついていて、長さを有効に使える。
ロックするピンが移動できるのでいろんな太さでとめられる。
結構便利。


しかし問題は解決していなかった。
走行中、どこにおいておくか困った。
開錠のたびに付属のベルクロでまとめてフレームにとめておくとか、
短距離なら首に首輪みたいにまいて行くとか。
いちいちサドルバッグにいれたり、ザックにいれたり…なんだかめんどうになってくる。

マチ乗りにもすこし楽なものはないものか。
あれこれ探していていくつかヒントをみつけた。

ママチャリを発想の源に。

まずマチ乗り自転車の王者、「ママチャリ」を参考にする。
ママチャリの鍵は便利だ。特に後輪につける馬蹄錠は駐輪時にも操作しやすい。しかし壊すには時間がかかる(経験談)。

うまくつくればロードにも合うデザインになるとおもうのだが、自転車業界にはそういう製品はないらしい。

ヒント1 リモコンロック Coco

[rakuten:hdc:10000508:image]
リングロックをキーレスにしたものだ。

無線式リモコンで開錠できる。光って場所を教えてくれる。
自転車用キーレスロックだ。

ママチャリの世界はここまで進んでいる。

利用者の共通の声は「リモコンによる開錠までの反応が遅い」ということくらいだ。

反応が遅いのは電池が長持ちするように受信機(馬蹄鍵側)のスキャンインターバルを長くしているからだろう。

近づくとき、早めに押し続けていけばOKだ。

ある日突然リモコン電池がなくなったときはどうするのか?

これにも答えが用意されていて、別にメカニカルな鍵がついている。
普通の鍵でもあけられる。よく練られている。

これはある意味究極なんだけど、デザインはあくまでママチャリ用だ。

これにOn/Off可能な振動感知の簡易セキュリティ機能をつけたものをよりスマートなデザインにしてだせばいい商品になるとおもう。

ヒント2 ブースターロック

[rakuten:aaluz:10002628:image]
ちょっと重い。走行中カタカタいう(薄いゴムなどをはさむことで対策できる)。
Vブレーキ台座ポストがないとつけられない。
しかし、MTBな人はちょい乗りならこれで十分ではないだろうか。

ヒント3 TEKTRO Vブレーキロック

[rakuten:ride-on:10020856:image]
ブレーキとは別に余計な棒がつきだしてスポークにひっかかるというロック。
審美的にはいい線いってるとおもうけどロックの強度は低めだろう。

これのキャリパーブレーキ版があればいいのだが。
MTB,クロスバイク系にしかつかないのが欠点。
また、自分の好きなブレーキをつけたい人には合わない。
この記事をわざわざ読みにくるような人にTEKTROのブレーキをつかう人は少ないだろう。

これにちょっとしたものを追加すればロードバイクでも使えるようになる。

ヒントから見えてきた方向性

  1. ブレーキブースターでセンターホールがあるものを探して、あるいは自分で穴をあけて、Vブレーキ用のポスト(ネジ)をつけてそれにこのTEKTRO Vブレーキロックをつける。
  1. ブレーキブースター的な板をつくってキャリパーブレーキの裏側にとめ、そこにふつうの自転車用の馬蹄錠をつける。


そういうアプローチで参考になる、というかちょっとした改良ですぐ使えそうなのはこれ。


ヒント4 ゴリン リングロック

[rakuten:jitensha-box:1432761:image]
これはVブレーキ台座がある自転車につける馬蹄錠。ブースタープレートつき。
プレートのセンターに穴があればロードでもつけちゃえるんじゃなかろうか。

似たアプローチでワイヤー式のものはキャットアイULK-01(生産終了)もおもしろい。


ダサさは相変わらず。

これでチョイノリならほぼ満足いくロックになる。

しかし、マチ乗りロードバイクの場合、
街中でちょっととめておくだけでもどこかにくくりつけておきたいこともある。

ただ車輪が回らないだけでは不安なときもあるものだ。

さらにワイヤーロックを持ち歩くのか。

いちいちふたつのロックをつけはずすのはどう考えても面倒だ。

さがしているとこんなものをみつけた。

現時点での最終解 サークル錠に「毛」が生えたブリジストンの「超便利Wロック」

探してみるとブリジストンがダブルロックなるものをつくっていたことがわかった。

定価1500円らしい。もう製造していないみたいだがネットで1300円程度で購入可能だった。

説明書はこちら。

この鍵が優れている点は、

  1. 強度が高い
  2. 操作が片手で行える
  3. 1キー1アクションで後輪とワイヤーがあるので前輪あるいはサドルとヘルメットとどこかの支柱などにもロックできる

しかし
分厚い鉄製のプレートと無骨な灰色のプラスチックモールドがいかにもダサい。
適当に塗装した(適当すぎて後悔してる)。ダサさと重さはともかく機能は満たしている。

これを写真のように裏側からつけてみた。金具が小さめで苦労したがなんとかついた。
鍵のよこにみえてる穴は付属のワイヤーロックをつけられる。

1キー1アクションで2ロックなのだ。
このワイヤーは馬蹄部分をロックしたあとからでもロックできるので便利。

長さは1mほどしかないが、端っこに小さなループがついているのでその長さを最大限につかえる。

開錠時は鍵が本体についたままになる仕様だ。

結論:ブリジストンの「超便利ダブルロック」はよくできている。
開錠も施錠も数秒だ。今はこれで満足してる。

施錠したところ

施錠はささったままの鍵あたりを指でおさえつつ、もう一本の指で本体についてるちいさな安全ボタンを押しながらリムの方向にロックバーを倒しこんでゆき、水平になったら鍵をねじ込む。するとロックバーが固定され、鍵が外れる。

ロックバーは純鉄でφ8mmほどありかなり丈夫そう。カナノコで切っても7分くらいはかかりそうだ。

開錠は鍵穴に鍵をいれてかるくひきまわすだけ。ばねのちからでチャコンと開いてくれる。
安全ボタンがあるので走行中にロックされることはない。走行中は鍵はついたままになる。

小さな問題は、鍵が長めでとんがっているのでポケットにいれると危ないこと。
鍵を現代的に作りかえ、本体デザインとカラーリングをもすこしなんとかすれば今でも売れるとおもうんだけれどどうでしょう。

これは結構な確率で近所の自転車やさんにデッドストックとして残っていると思う。

→2022年現在、もう絶滅したので 斉工舎(SAIKO) BT-17W サークルロック を探してほしい。

ほぼ同じコンセプトのロックだ。お値段は2015年購入時で2800円だった。

もっといいアイデアをもっている人にはぜひ教えてほしい。